はじめまして。
昨年12月にセガナに入社しました、
デザイナーの金子と申します。
どうぞよろしくお願いします。
さてさて、今日から4月。
入園、入学シーズンですね。
20代も後半になり、ママになったお友達もちらほら。
先日友人とランチを食べながら
のんびりお話をしてたのですが、
彼女の娘ちゃんも来年から幼稚園なんだとか。
幼稚園ときいて、学生時代に出会った
ある建築物を思い出したので
今日はそのお話をしようと思います。
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私は大学時代に環境デザインを専攻していたので、
好きな建築をみつけては雑誌をコピーして、ファイルにストック。
それらを参考にアイデアを絞り出し、
模型を作って表現する。そんな日々でした。
4年間の集大成である卒業制作のテーマを
「子どもの遊び場」に決めて資料集めをしている時に、
「ふじようちえん」を知りました。
有名な建築物ですので、ご存知の方も多いと思いますが、
ふじようちえんは立川市にある私立の幼稚園。
園児数は約560人。日本では3番目の規模だそうです。
佐藤可士和さんをディレクターとして、
建築家の手塚貴晴さん、手塚由比さんにより設計されました。
2007年に竣工した新園舎はドーナツ型。
グラウンドをぐるーっと囲むように教室が配置されています。
もともとあったケヤキ3本を残して建物を作ったために
円形のプランが採用されたんだとか。
そして、特徴的なのが“屋根”。
園舎の屋根にはウッドデッキが敷かれ
子どもたちの遊び場になっています。
一周約200mの屋根の上を子どもたちは
毎日楽しそうにぐるぐると走り回っているそう。
屋根の上に広がる空間には、遊具が一切ありません。
その理由は…
“遊具というのは子どもに「このように遊びなさい」と
与える道具であり、すると子どもたちはそれ以上の事を考えなくなる。
子どもは本来遊びを見つけるところに成長の根本がある”という手塚さんの
考えからです。
遊具は遊具。建物は建物。空間は空間。のように
なんとなく別々の存在であると感じていた学生時代の私。
建物がそのまま遊具になっている「ふじようちえん」を知った時には、
またひとつ考え方の幅が広がっていく気がしたのでした。
最後に、自分の子どもの時代を振り返ってみるとアニメにでてくるような
“空き地”と呼べる空間は、ほとんどなかったように思います。
それとは反対に次から次へ販売される魅力的なゲーム機たち。
そういえばおもいっきり体を動かした記憶ってそんなにないような…。
子どもたちが自由な発想で遊びに専念できる空間が減っていくなかで、
幼稚園や小学校という建築物が
時代とともにどのように変化していくのか
これからも、そっとアンテナを張っていようと思います。