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1. 最近よく見る気がする

こんにちは。岩澤です。

近年、マーケティング関連でIoTという言葉を何かと目に・耳にするようになりました。

モノのインターネットなんていうと、
簡単な言葉でできているだけに
何となく分かったような気持ちになるのですが、
実際のところ、これがどんなものなのかよく理解できずに過ごしてきました。

このIoT、どんな概念の言葉なんでしょうか。
また、今の世の中では、IoTによってどんな動きがあるのでしょう。

その辺を、今回は調べてみることにしました。

 

2. IoTってどんな意味?

ウィキペディアによると、

IoT = Internet of Things/モノのインターネット

モノがインターネットでつながって(インターネットのようにつながって)、
相互に制御する仕組みだそうです。

・・“モノ”に“ネット”がプラスされるという意味では
スマートフォンも電話のIoTですし、PCも元をたどれば・・?と、
概念にだいぶ間口の広さを感じますが、とりあえず IoT で言うところの“モノ”とは、
「“今の時点で”通信デバイスとして認知されていないもの」を指す感じのようです。

ちなみにこの用語自体は1999年に初めて使われたとされてまして、
当初は商品管理システムを「まるで物のインターネットのようだ」と
喩えた言葉だったのが、その後、より広義な意味で使われるようになり、
2015年頃からバズワードとして捉えられているようです。

 

3. 国内外のIoT事例

“モノのインターネット”といわれて僕が真っ先に思い出すのは、
以前なにかのニュースで見た「ディスプレイモニターの付いた冷蔵庫」です。

インターネットに接続されタッチスクリーンのある冷蔵庫、SamsungのFamily Hub Refrigerator

メーカーなど記憶しておらず、調べてみましたが多分これです。

正直これ自体に魅力を感じたとかいうことではなく、ネット+冷蔵庫というものに
「またどこかの会社がよく分からないことを始めたなぁ」という感想でしたが、
この特徴的なメカニカルな見た目がなんとなく記憶に残っていました。
(今見返すと機能もこれはこれで、なかなか有用そうな気もしてきました)

あとは最近認知が高そうなのは「Amazonダッシュボタン」でしょうか。
あれもボタン+インターネットという、IoTですよね。

その他にも調べてみるといろいろと出てきましたので、
事例を幾つか紹介しようと思います。

 

《交通とIoT》

・バスに通信機器を載せることで、運行状況をバス停などでリアルタイムで見られるサービスがあります。「スマートシティ」として名高いスペインのバルセロナをはじめ、京都でも導入されたとか。
そういえば近頃バス停に“バス到着まであと○○分”なんてディスプレイ表示されているのがありますが、ああいうのもその一環なんでしょうね。

・japan taxiの提供しているアプリ「全国タクシー」。地図で場所を指定するだけでタクシーが呼べるこのシステムも、対応タクシーに載せた「車載IoT端末」が可能にしています。

・IoTを自動車保険に活用する事例も増えているようです。スマホや専用デバイスを通じて走行距離や運転状況といった情報を取得し、それを保険に反映させるといった感じで、より個々のドライバーに適した内容が提供できそうです。

 

《飲食とIoT》

・ICカードやスマホで買い物できる自販機、今多いですが、購入履歴などから利用者の好みを判断し、新商品をお勧めするといったことが可能に。
オススメ機能ってなんとなく忌避感を抱く人も多いのではと思いますが、新し物好きの非現金派の人たちの印象はいい、とかあるんでしょうか。その辺の消費者マインドなんかも気になるところですね。

・「おかわりコースター(エスキュービズム・テクノロジー社)」という飲食店向けの製品を見つけました。コースター型デバイスにグラスを置くだけでおかわりが注文できるというものです。
これにより飲食業界の全体コストから4%が削減できるそうで、お客さん側としてもお代わりのための時間と手間が省けていいんじゃないでしょうか。

・象印では、通信機内蔵の「iポット」という製品を使って、高齢の方の生活リズムなどを遠隔から知ることができるサービスを提供しています。たとえば朝おじいちゃんがポットでお湯を沸かすと、遠くに住む家族のスマホにその情報が転送される、といった感じです。

 

《農業とIoT》

・モニタリングやビッグデータと絡めて活用されることの多いIoT。農業との相性はかなり良いようで、収集・蓄積された気温・湿度・天候やその他環境情報を元にした管理システムが次々と生まれているようです。(みどりクラウド、和歌山県・早和果樹園など)

 

《防犯とIoT》

・個人向けのホームセキュリティーの業界でも、IoTの導入が進んでいます。カメラやセンサーでモニタリングした情報をスマホなどに転送するといった(至極真っ当な)サービスや、逆に遠隔から自宅のアラートを鳴らしたり、施錠もできたり。
僕的に面白かったのが、この「鍵」の分野でIoTが進んでいるところで、たとえばスマホなどを使ったキーレスの施錠
・解錠に始まり、その履歴確認や、自動施錠、第三者への一時的な解錠権の付与もできたり、鍵の分野は中々奥が深そうです。

 

《ウェアラブルデバイスとIoT》

・代表格はApple Watchなどのスマートウォッチでしょうか。残念ながら失敗してしまったGoogleグラスも一時話題でした。またランニングやフィットネスなどに向けたバンド型のデバイスなんかもちょっと前からよく目にしますね。

・海外の動きの中で特に気になったのは米ディズニーが2014年に導入した「Magic Band」です。これはIDタグの入ったリストバンドで、入園からアトラクションの利用、買い物など諸々の決済が全てこれ一つで可能になるとのこと。ファストパスの確認や、ホテルの部屋の鍵にもなるそうです。
また、登録アカウントの個人情報とひもづくため、キャラクターがサプライズで「Happy Birthday!」と声を掛けてくれる、なんてこともできるみたいです。申し込み時にバンドの色が選べたり、名前を刻印できたりするのも嬉しいポイント。
下に挙げるAmazonの例もそうですが、何か自社プロダクトにIoTで機能を足すのではなく「自社のサービスをより良くしたり、統合するためにIoTデバイスを作る」という他とは逆な発想が面白いと感じます。

 

4. Amazonに注目

IoTについて、今絶対に注目すべき企業の一つがAmazon社です。

冒頭で挙げたAmazonダッシュボタンも話題ですが、この分野の先端を行き
今後確実に台風の目になると目されています。

その根拠の一つが「Amazon Echo」。
アメリカで販売されている円筒型のマイク・スピーカー端末で
簡単に言ってしまうと「音声認識装置」なのですが、
自宅の部屋などに置き、話しかけると、中に入っている「Alexa」というAIが
生活の中のさまざまなシーンでお手伝いしてくれるというものです。

例えば朝、出勤準備をしながら「今日の天気は?」と尋ねたり、
なくなりそうな日用品を「Alexa、いつもの洗剤をお願い」と注文したり
他にも「音楽を掛けて」や「電気を消して」などといった
普段のちょっとずつかかる生活上の手間を省いてくれます。

またアンケートによるとキッチンに置かれるケースが多いそうで
「1ポンドは何グラム?」のような計算や、キッチンタイマーとしてなど
料理の途中で手を止めずに使うことができます。

考えてみれば、生活者向けの製品にIoTを取り入れる場合
目的にも依りますが、入力方法として「音声」はかなり有効な手段だと思います。

元々の機能を削ることなく、IoTによって機能を更に追加されるのであれば
その分、操作は複雑化してしまいますから、
音声入力によりその複雑化を最小限に抑えられれば、生活者にとっても
タッチパネルが付いた製品よりも簡単そうで、受け入れやすいのではないでしょうか。
(家電や自動車といったパーソナルスペースで使用される環境も、
独り言のように機械に話しかける恥ずかしさを軽減してくれるように思います)

更にAmazon Echoに使われているAI「Alexa」は、
様々なプロダクトに組み込むためのツール・プログラムが用意されており、
サードパーティがこれを利用することで、自社製品へ
容易に音声認識機能を追加することができるそうです。

この辺りはiOSやAndoroidのアプリプラットフォームとよく似ていますが、
単体のシステムを作ること以上に、生活者に対しても企業に対しても、
そのシステムが浸透しやすい「環境を作ること」が重要なのだと再認識させられます。

 

5. 大切な事はいつも同じ

以上、IoTについて簡単に調べてみて一つ言えるのは、
出来上がった製品やサービスが人の役に立つものかどうかが
一番重要だということです。

たとえば象印のiポットのような考え方、個人的に、
すごく日本人的なものに感じるのですが、こういう
本来持っている役割とはまったく異なる方向の機能を持たせるのって、
よくよく考えないとなかなか難しいように思います。

まず、それが本当に生活者にとって有用なものなのか、というのがひとつ。
(メーカー側の独りよがりでただ目新しさ・話題性だけを狙ったような製品、意外と多いですよね)

次いで、その有用性を正しくターゲットに伝えられるか、という点です。

まったく新しいこれまでにない発明品、というものは
当然誰も使ったことがないので、それが自分にとって良い物なのか分からないですし、
“新しい”という理由だけで得体の知れない物を好んで購入する物好きはごく一部ですから、
その画期的な製品やサービスの「あたなの生活をこんなに素晴らしくします」という
良さを、明快にプレゼンテーションしなければいけません。

 

今回IoT分野の一端を垣間見て、
それだけでもなにか面白いことが生まれてきそうな可能性を感じました。

自分にとってこれまでの人生で、
ライフスタイルが一変するほどのイノベーションといえば
「ファミコン・ipod・iphone」だったんですが、
IoTを通じて、それらに次ぐ心がワクワク踊り出すような
新製品・新サービスが生まれることを期待しています。

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