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こんにちは、岩澤です。

今回順番が回って来たのがちょうど1月だったからか、何を書こうかなーと考えて思いついたのは「そういえば2018年辺りって、ちょっと前のSFだと結構舞台になってたんじゃ?」というものでした。

有名なところで、2013年には鉄腕アトム誕生記念で取りざたされたりしていたので、もしやと思い調べてみるとやはり、今年2018年近辺を舞台にしたいくつもの作品が見つかりました。

そこで今回の試みとして、僕の好きなSF作品をピックアップして、そこで描かれた未来の姿と、現実の今を比較してみようと思います。

 

作品1:AKIRA
制作時期:1982年連載開始
舞台設定:2019年

言わずと知れた大友克洋作のSF超大作、AKIRAです。
作品の舞台は2019年の近未来、驚くべきことに“翌2020年に東京オリンピックを控えている”という設定で、この現実との一致から、近頃一層の注目を浴びています。

さてそれでは、このAKIRAの世界で登場する“未来の代表的なモチーフ”と、それらに相当するものが現在世界で実現しているのか、を照らし合わせていきたいと思います。

未来その1:金田バイク
主人公金田の愛車「金田バイク」。
正式名称は不明ですが、スポーツカーのような真っ赤な配色と独特な流線型のフォルムが強烈に未来を感じさせた、AKIRAの象徴ともいえるバイクです。

[リアルでは]
1995年発売のYAMAHAマジェスティで一気に浸透した、いわゆる「ビッグスクーター」が近そうです。ちなみに調べた限りビッグスクーターの最初はHONDAフュージョンで1986年発売。

 

未来その2:フライング・プラットフォーム
金田バイクとは対照的に無骨な見た目ながら飛行型の有人戦闘機としてはコンパクトで小回りが利き、劇中では地下水道の中でも使われたりしました。

[リアルでは]
プロペラを機体の下に配置して飛行するコンセプト自体は古くからあったようで、古くは1955年の実験映像がネットに上がっていました。(https://www.youtube.com/watch?v=7XzDMlhk4Sw

また最新鋭のモデルがこちらの「Aero-X」。2016年に予約が開始されていました。
http://forride.jp/gear/aero-x

 

未来その3:SOL
その2と同じく兵器の一つで、こちらは人工衛星を使って大気圏外からレーザーで地上を狙い撃ちするというものです。

[リアルでは]
レーザーではありませんが、大質量の金属棒を宇宙から落下させるという、通称「神の杖」と呼ばれる兵器の噂があります。
空恐ろしい攻撃手段ですが、国際的な宇宙条約で禁止されているそうです。

ちなみにこの条約の正式な名前は「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」というらしいのですが、凄い長いですね。

 

未来その4:人工サンマ
AKIRAから、最後はこちら「人工サンマ」です。
劇中一度だけの登場でこれがどんなサンマなのかの説明は「おいしい」という以外無いのですが金田が「ぐァつぐァつ」と食べるシーンは後に多くの漫画家にオマージュされるほどキャッチーでした。

[リアルでは]
残念ながら人工サンマはまだないようですが、牛肉を培養したり、植物由来のタンパク質から肉に近いものを作ったりという、人工的に肉や肉に近しいものを作ることは既に行なわれているそうです。

植物由来の人工肉を使う「Impossible Burger」がいよいよ全米に店舗を大展開スタート

秋刀魚の魅力が周辺諸国にも注目され始め、国内の漁獲量が危ぶまれる昨今、人工サンマが食卓に並ぶ日も近いかもしれません。

 

 

作品2:新世紀エヴァンゲリオン
制作時期:1995年アニメ放送開始
舞台設定:2015年~2016年

次に選んだのがこちら「新世紀エヴァンゲリオン」です。
1995年の秋から放送されたアニメで、初めて見た時からどっぷりハマってしまいましたが当時僕は中学3年生で高校受験勉強真っ只中。
塾とエヴァの往復のような生活、というか思いでがそれくらいしかありません。

さて、エヴァンゲリオンの世界において、2015年とはどんな環境だったのでしょうか。

未来その1第三新東京市
ストーリーの舞台となる、第三新東京市(箱根)。
木造住宅と高層ビル街が同居していて、度々挿入される信号や電線のシルエットはエヴァの代表的なシーンのひとつです。

最大の特徴は“都市が可動する”ところで、敵である「使徒」と戦闘の際などはビル群が「地中に収納」されます。また一部の山やそれに付随するリフトなどに重火器が仕込まれていたりと、戦闘要塞都市といった姿を見せます。

ちなみに地中にはジオフロントと呼ばれる空洞があり、上述で地中に潜ったビルは、ジオフロントでは天井からつららのように垂れ下がります。

[リアルでは]
さすがに該当なし。可動する街、男のロマンですね!

 

未来その2:D型装備
エヴァンゲリオン用の特殊装備の一つで、弍号機がマグマに潜る際装着したものです。
ダルマのような丸っこいシルエットが可愛くて、個人的にお気に入りメカです。

[リアルでは]
マグマに入れる装備なんて現実にあるのかな?と探してみたら、こんなものがありました。

もしや不死身になれる? 1100度の炎の中でも人を守る究極の耐火服を開発(動画)

1100℃の高熱に7秒間耐えられるとのことで、マグマの温度と照らし合わせてみますと、「安山岩質マグマ(最高約1100℃)」までなら耐えられるようです!やりましたね!(実際は超音速スポーツカーのドライバー向けに開発されたそうです)

 

 

未来その3:L. C. L
これが何かと言いますと、Link Connected Liquid の略でして、見た目はオレンジ色をした液体です。
これでエヴァのコクピット(エントリープラグ)を満たし、パイロットとエヴァの神経接続をしたり、また電荷を与えることでモニターを映し出すのもこれの役目だそうです。

今回はこのL.C.Lの副次的な効果「水中呼吸が可能」という点に注目して探してみました。

[リアルでは]
水中での呼吸が可能となる「液体呼吸」実現に向けて犬・ネズミ・ハムスターによる訓練が開始される(ロシア)

探してみると見つかるもので、昨年2月の記事ですが、既に動物では成功しており、人間での実験に進めたいという段階まで来ているそうです。
ところでこの技術、どこで使うのかという興味が湧きますが“医療分野や潜水艦乗組員の緊急脱出手段へ応用”だそうです。

 

未来その4:ICT授業
主人公のシンジ君が通う学校では、生徒全員に授業用のPCが行き渡っているようです。
「PCを扱うための授業」ではない、普通の科目でPCを日常的に使うのって日本ではまだそこまでは進んでいないように思いますが、実際のところどうなんでしょう。

[リアルでは]
1人1台のパソコンでの授業があたりまえ! 世界のデジタル教育最新事情【オーストラリア編】(前編)

2016年の記事です。「オーストラリアでは当たり前!」のようですね。

日本は特に遅れているというこの分野、目論見としては黒板の内容を書き写す「覚える勉強」から、知識はコンピュータに任せて、人間は“考える力の勉強”へのシフトとのこと。
日本でも昨今アクティブラーニングなど叫ばれていますが、このように教育方針自体を転換すべき時期かも知れませんね。

 

 

作品3:21エモン
制作時期:1968年連載開始
舞台設定:2018年

最後に選んだ作品がこちら、藤子不二雄の名作「21エモン」です。

設定はなんとドンピシャ2018年、地球は宇宙と交流が進み星間連合にも加盟、一大観光惑星になっているという、前の2作に比べて非常に夢溢れる世界になっています。

さてそんな夢の2018年ですが、現実に実現しているものはあるのでしょうか。

未来その1:縫い目のない服
まず注目したいのが、21エモンのファッション。
どこか宇宙服のようなエッセンスを感じる、いかにも未来的な服装には、見ての通り“縫い目”がありません。
この服、いったいどうやって出来ているんでしょう?

[リアルでは]
3Dプリンタでつくった”縫い目のない服”を展示! – 東京都・伊勢丹新宿本店「彩り祭」

2015年、伊勢丹新宿店に“縫い目の無い服”が展示された、という記事です。
3Dプリンターを使って材料を“吹き付ける”ことで実現したとのこと。
これであのスペーシーな未来服が流行するのも時間の問題です!

・・と思った矢先、このプロジェクトを進めていた会社が営業停止してしまったという非常に悔やまれる記事も見つけました。
http://idarts.co.jp/3dp/electroloom-first-3d-fabric-printer-closes/

 

未来その2:空飛ぶ自動車
ようやくの登場ですが、空飛ぶ車といえばかつてのSFにおいては大定番の、まさに未来の象徴といえる乗り物でした。当然、21エモンの世界でもみんな普通に乗り回しています。

[リアルでは]
ご存知の方も多いかもしれませんが、この分野はかなり以前から開発が進んでいます。

スカイカーが完全に未来の自動車!開発&販売中の「空飛ぶ車7選」

昨年のモーターショーにも多数出展され、一般販売予定のものもあり、実用化は目前といったところです。
まぁ、普通の町はまだ車が空を飛ぶ想定をされて作られていない、という問題はありますが。

 

未来その3:ゴンスケ
21エモンの主要キャラクターの一体、芋掘り用ロボットのゴンスケです。
愛嬌のある骨組みのような華奢なボディと大きな目が特徴的で、独特な価値観と口調での21エモン達との掛け合いがこの作品の魅力の一つです。

[リアルでは]
「人型ロボット」「AI搭載」「ユーモアラスなトーク機能」、といえばやはりあれですね。

Life with Pepper(ペッパーと暮らす)

AI、自律型ロボットといった分野は、願わくば軍事の方面ではなく、人類の友人として平和に発達していってほしいものですね。

 

 

以上、いかがでしたでしょうか。
思いつきで始めましたが、色々調べるうちに先端技術の一端に触れることができ面白かったです。

そして、最後に紹介した21エモンは連載時の1968から50年先の未来が舞台になっていましたが、今から50年先を想像した時同じくらい夢のある世界を思い描けるか、と考えてちょっと複雑な気持ちになりました。

ただ個人的には色々と思うところがあるにしても、少なくとも、子ども達には夢と希望が溢れる未来を示していたいものですね!

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