こんにちは、ADの下村です。
少し前の話になるのですが、9月の連休に松屋銀座で開催されていた
『ベルサイユのばら展』を観に行きました。
ここにきてなぜベルばら展?かというと、
ベルばら連載開始から記念すべき40周年、だということです。
そんなに昔の作品になるんですね。すごいですね。
さて、『ベルサイユのばら』は少女漫画史における最も有名な作品と言えるのではないでしょうか。
少女漫画なんだけども歴史的背景を忠実に再現した歴史マンガであって、
その魅力は、“男装の麗人”オスカルを始めとした、
華麗で豪華絢爛な登場人物たちが繰り広げる少女漫画的ロマンスの要素(フィクション)と、
18世紀末のフランスを舞台に、マリー・アントワネットとルイ16世のブルボン王朝を取り巻く人々が、
劇的な革命の嵐に翻弄されていくシリアスなストーリー(ノンフィクション)の要素にあると思います。
作者の池田理代子がこの作品の連載をスタートさせたのが、1972年。
当時24歳という若さ!
歴史物は女性子供にウケない、という大方の予想を裏切り、空前の大ヒットとなります。
1974年には宝塚歌劇団が初のマンガ原作となる舞台、『ベルサイユのばら』を初演。
宝塚史上最もヒットした演目となり、この大成功が作品のヒットに拍車をかけ、
テレビアニメ、劇場版アニメなどが制作されて社会現象化しました。
(宝塚では来年、5年ぶりに再演されるとのこと)
ところであまり知られていないようなのですが、
1979年には日=仏合作の実写映画も製作されています。
なんと監督は「シェルブールの雨傘」「ロシュフォールの恋人たち」を手掛けたジャック・ドゥミ、
音楽はもちろんミッシェル・ルグラン!
どういうわけだか、興行的には大コケだったとのことで、
私も大学生の時分に、今は亡き大井町武蔵野館へ美輪明宏主演の「黒薔薇の館」を観に行き、
“薔薇”つながりで二本立てだったこの映画を観ましたが、途中から寝てしまい記憶がありません。。
マンガ原作は、豪華版や文庫版が何度も重版され、
私が初めて読んだのも、高校生のときに発売された豪華版。
そのドラマティックな内容が衝撃的で、クラスの女子たちの間で大ブームとなったものです。
2000年以降も「ベルばら」はたびたびメディアに登場し、
現在でも、パチンコ、ケータイゲーム、お菓子、化粧品などといったコラボ商品を多数見かけます。
かく言う『ベルばら展』でも、展示を見終わった後の物販コーナーの盛況ぶりにはビックリ。
この展覧会のために用意された多様なグッズの数々もさることながら、
それらの商品を両手いっぱいに抱え込み、レジ前に行列を作っている往年のベルばらファンたち。(グッズ代、ン万円!)
レジは3人体制にもかかわらず、誘導員が必要なほどの長蛇の列には驚かされました。
グッズは私がアニメを観ていた時代にもたくさんありましたが、
おもちゃや人形、文房具など、その多くは「少女向け」でした。
そして現在の「ベルばら」のド真ん中のターゲットはサイフのひもを握る主婦層の40代女性です。
そういった意味では「ベルばら」ブランドの販促力は今まさに頂点なのでは、とまざまざと思わされた“熱い”展覧会だったのでした。
松屋での展示はすでに終了してしまいましたが、今後福岡、大阪、横浜と巡るようですので、
興味のある方はぜひ行ってみると楽しいと思います。
ベルばら展の詳細はこちらから。
http://www.asahi.com/event/berubara40/