こんにちは。
グラフィック&ウェブ制作会社
株式会社セガナ・クリエイティブで
デザインに向き合っている生き物
向ちゃんです。
商品や会社のWebサイトやパンフレットなどを作るとき、どうしても「伝えたい」「わかってほしい」という気持ちが強くなりますよね。
でも、こちらの「伝えたい」とか「わかってほしい」という気持ちと、相手の「知りたい」という気持ちは同じにならないことがほとんど。
どうしたら伝わるのかなーということはもちろんですが、こちらの考え方を少し変えて、相手の「知りたい」に近づく必要もあるのかも。
今回はそんな近づき方について、営業でも制作でも、なんなら依頼する時でも、いつも私が心がけていることについて書こうと思います!
「伝えたい情報」と「知りたい情報」は同じではない
新商品のパンフレットを作ってほしい、パッケージをデザインしてほしい、コーポレートサイトを作りたい。
そんな依頼を受けるときに、かなりの確率で
高い技術がある(使っている)
こだわりの○○
○○を■%使用
などなど、PRポイントを伝えたいと要望をいただきます。
自分たちのことを知ってほしいし、こだわって開発した商品に興味を持ってほしいと思うのは当たり前。
でもちょっと待ってください。
「伝えたい」と思っているターゲットは、その情報を「知りたい」と思っているんでしょうか?
残念ながら、答えはNOです。
多くの場合、特に不特定多数のターゲットにアプローチする場合、ターゲットはその企業やその商品に興味を持っていません。興味を持っていないので、いくら素材がいいとか、高い技術力があるとか言われても「知りたい」とは思いません。
では、どうしたら「伝えたい情報」と「知りたい情報」が同じになるのでしょうか?
私は不審者です。
「伝えたい情報」を「知りたい情報」に近づけるには、言い方や表現のテクニックもあるのですが、一番いいのは自分を相手に置き換えて考えることです。
なーんてな。
よく聞くけど、そんな簡単なものではないです。私もそうですが、人に対してはいくらでも言えます。でも実際に自分が伝える立場になったらそう簡単にいきません。
だから私は、見知らぬ誰かに自分のことを伝えるとき、こう思うようにしています。
この人にとって、私は不審者です。
つまり、たとえセガナや私(←オイ!)がどんなに素晴らしく、有能で、優秀で、クライアントのことを最優先に考える会社や営業だったとしても、初めて会う人にはそんなことわからない。
もしかしたら何かを制作しろとか、リニューアルしろとか、やたらそんなことを勧めてくるかもしれない。うまい安い早いと言って、何かを作らせたら、とんでもないデザインをあげてくるかもしれない。
要するに、何をされるかわからない不安感の方が大きいのです。
これ、もう完全に不審者じゃないですか?
にも関わらず、いきなりものすごく自分アピールしてきたらどう思いますか?
こ・・・こわすぎる!
もう不審者感がうなぎのぼりです。
「伝えたい」ばかりだとこうなります。
- セガナクリエイティブはスタッフ全員デザイナーのクリエイティブ集団です!
- 実績豊富!
- 43年も続いてる会社です!
- 撮影の実績もあるので安心してください!←?
- コピーライティングもできます!
- 提案が得意です!
- 女性が多いので丁寧です!←?
例えば「はじめまして~。」と私が訪問し、↑のようなことを怒涛の如く伝えてきたらどう思うでしょうか?
やだ!いいじゃないこの会社!安心してお任せできそうだわ♥
とか思うでしょうか?
思いません・・・。思いませんよ!!むしろうさんくさい。
そうなんです。うさんくさいんです。もはやいい加減に話を切り上げて、お帰りいただきたい。「聞くだけ話きいたんだから、もういいでしょ。満足したでしょ。制作は依頼しないので、帰ってください。」そんな心の声が聞こえてきそうです。(これは過去の経験談です。)
そして私は悟りました。
私は不審者だ。
どんなに技術に自信があっても
どんなにお客様の力になれると信じていても
セガナを知らない人にとっては、ただのうさんくさい制作会社でしかないのです。
そして残念なことに、これはセガナだけの話ではなく、どの会社、どの商品にも言えることなのです。
不審者から信用できる人になる
不審者感を払拭しようとして「わたし、不審者じゃありません」アピールは危険です。さきほどの、「セガナはこんな会社です!アピール」がまさにそれ。不審者感を払拭しようとして、不審者感を上塗りしている。
不審者から信用できる人や会社になるには、相手に寄り添った情報提供や提案をするしかないのです。
自分のことを知ってもらう前に、相手のことを知る。相手の心理や不安感を理解し、その不安感をどうやったら無くすことができるかを考える。そして相手の希望があれば、一緒に考える。
結局ここに尽きる。
例えばセガナだったら、そこに制作がなくってもいいじゃないですか。相手の希望がかなえられ、喜んでくれて、私が不審者じゃ無くなればそれで。(もちろん売上は欲しいけれども。)
制作も同じ
そしてそれは制作も同じです。Webサイトにしても、チラシやパンフレット、商品パッケージにしても全く同じ。
会社や商品、サービスを不特定多数の人に興味持ってもらいたかったら、「こちらは不審者に見えている」「うさんくさい」を前提にして考えるのです。
これは依頼側だけでなく、私たち制作側も肝に銘じておく必要があります。
わたしたちのクライアント(依頼側)はユーザーからすると「不審者」です。だから私たちが制作物を通して、クライアントを「不審者」から「信頼できる企業・商品・サービス」にしないといけないのです。
こわくないように、押しつけにならないように、ひとりよがりにならないように、でも大事なことはきちんとおさえる。
それを忘れないために「私は不審者です」という気持ちを持つ。
このパワーワードのおかげで、「伝えたい」という強い気持ちを抑えられるのです。
まとめ
いろいろ書きましたが、一番言いたかったのは
自分を「不審者だ」と思うことで、相手が感じる不安感を理解することができ
結果として、相手が「知りたい」と思う情報を提供することができる。
ということです。
自分たちのことや、自分たちが自信を持っている技術や商品、サービスについてたくさん情報を伝えたいのは当たり前です。
でも、そんなとき「自分は不審者なんだ」と一呼吸置いた上で、何を伝えるべきか考えてみると、ユーザーの「知りたい」がもっとリアルに見えてくるのではないでしょうか。
私たちもその思考を忘れずに、お客様の「伝えたい」気持ちをサポートしていきたいなと考えています。
おまけ(宣伝)
実は、自分を「不審者なんだ」って思うのはセガナに入る前からずっとなんですが、セガナに入ってから、余計に思うようになったことでもあるんです。
私もついついお客様に肩入れしちゃうので、あれもこれも伝えたほうが・・・!ってなりがちなんですが、そんなときクリエイティブプロデューサーから、「ターゲットってその情報知りたいの?」とか「それって誰が見るの?」とか聞かれて
ハッ!
てなることがとても多かった。(今もですが)
よく「お客様の伴走者として」とか「お客様と同じ目線で」とか聞きますが、それだけではダメなのかなと思います。
同じ目線だと、同じところしか見えなくなってしまう。セガナは同じ目線を持ちつつ、その先のユーザーの目線も持って、お客様やお客様の商品・サービスを信頼していけるものにしたいと
日々、がんばってます!!
(ものすごく宣伝してますよ!)
セガナ・クリエイティブでは
広告・制作・コミュニケーションに関わる
あれこれについてご相談を承っております
こんなこと相談してもいいかしら?
ということも
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