こんにちは。
グラフィック&ウェブ制作会社
株式会社セガナ・クリエイティブで
デザインに向き合っている生き物
向ちゃんです。
いきなりですが、デザインってどうやって作ってるんでしょうか?
Webでも紙でも、やりたいことを聞いただけで
「あ~はいはい。わかりました。そういうご希望ですね。だったら、ああしてこうして・・・OK!イメージできましたよ!ちゃちゃっとやっちゃいますね!」
ていうイメージないですか?一方で、デザインは設計だ!理論だ!なんていう声も聞くけど、それも正直どういうことかわからない。
ということで、今回は謎に包まれているデザイン制作のプロセスについて、ざっくりと紹介していきます。
制作プロセスの【イメージ】と【リアル】を図式化してみた
デザイン制作って、才能ある人が、依頼主の作りたいものを軽く聞いただけですぐにイメージが広がり、そしてデザインを作っていく、というイメージありませんか?
実は私もそうでした。
よく、デザインは設計が大事!と言ったりしていますが、そもそもデザイン制作って何してるかわかんない。だってデザイナーじゃない人からしたら、illustratorとかPhotoshop使ってMacでデザイン作業しているイメージしかないんですもの。
ということで、とてもざっくりですが、デザイン制作のプロセスのイメージとリアルを図式化して比較してみました。(ほんとはもっと細分化できるんですが、その話はまた今度)
ちなみに上のイメージは、私が想像していたデザインの制作プロセスです。こうして改めて図式化すると、配分がかなり違うことがわかりますよね。
イメージしていた制作プロセスと、リアルの違い
イメージとリアルを比較してみると、何が一番違うか、一目瞭然です。
イメージにくらべて、リアルの方は圧倒的にヒアリングと設計部分が占める割合が多いです。
デザイン制作のイメージって、どうしても表現のアイディア出しや、デザイン制作の部分だけに行きがちなのですが、実は全プロセスの半分以上がヒアリングと設計を占めているのです。
この設計の部分で、リサーチしたり、現地(市場)調査したり、分析したり、課題設定と解決策を検討したりしています。
リアルなデザイン制作のプロセス
ここからは簡単に制作のプロセスを説明します。
ヒアリング
ヒアリングとは、クライアントの要望や制作物、仕様を聞き出すこと。
では、ありません。
ここでいうヒアリングとは、
案件の目的や課題を相手から「引き出す」こと
もっと言うと、質問によって相手が持っている情報を引き出し、その情報を整理・構成しなおして、本当に必要なものを相手に気付かせることを言います。
もしかしたら、チラシを作りたいという要望だけど、情報を整理したらSNS投稿の方がよかった、ということもあるかもしれません。
情報を聞き出すだけだと、言われた通り何も考えずチラシを作るのみですが、情報を引き出すことで本来の目的を整理でき、結果「やるべきこと」に気づけるのです。
これ、たぶん企画でも営業でも「あるある」の内容ですよね・・・。前職でも前々職でも営業として叩き込まれました。
設計
【設計】と一言でいっても、具体的にはイメージが難しいので、細分化してみました。ここは会社によって変わるので、一概に言えませんが大きく分けて5つのフェーズからなっています。
さらに細かく内容を説明すると以下のようになります。
ヒアリングをもとに、市場、競合調査やリサーチおこない、クライアントの現状を理解
現状把握をもとに、理想と現実のギャップ、その理由を見つける
問題を解決するためにやるべきこと(課題)を設定する
課題の解決策を検討する
解決策を実施するための手段や方法を組み立てる
見てわかるとおり、このフェーズにセンスや感覚やひらめきは必要ありません。
制作
設計で組み立てた内容を形にするフェーズです。いわゆる一般的にイメージされるようなデザイン制作の部分です。
ここでようやくセンスとか感覚が出てくるのかな・・・?と思いきや、実はそうではありません。
設計であんなにロジカルに考えたのに、ここでいきなりセンスだけで制作すると、設計がぶち壊しです。
制作フェーズでは、主に知識と技術、培った経験(センス、感覚)が必要になります。(本当はもっと細かく分けられるのですが、その話もまた今度。)
確認・修正→納品
言わずもがな、確認・修正のフェーズです。ここでは制作フェーズで提案されたデザインに対し、修正、ブラッシュアップしていきます。問題なく進めば、納品となります。
プロセスはどんな職種も同じ
ざっくりと流れを紹介しましたが、いかがでしょうか?デザイン制作のプロセスを紐解くと、半分以上でロジカルな思考が必要とされることがわかります。そしてその中身って、実はどんな職種でも同じプロセスを辿ってるんですよね。
デザインというと、ちょっと私たちとは別世界のイメージで理解しがたいものに思えますが
アウトプットの形式やツールが違うだけで、プロセスは他の職種(エンジニア・企画・営業)と同じなのです。
つまりこういうことです。
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エンジニアはいきなりプログラムを組み始めません。
要件定義と設計無しにプログラムも開発もできませんよね?
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企画はいきなり企画書を作り始めません。
企画の組み立て、その根拠もなしに、企画なんて作れませんよね?(作ったら間違いなく上司に叱られます)
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営業はいきなり提案を始めません。
ヒアリング、めちゃめちゃ重要ですよね。そして課題解決検討せずに提案したら、信用なくしますよね?
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デザイナーもいきなりデザインを作り始めないのです。
上の図からわかるように、どの職種も何かをする時は手を動かす前の作業(設計)を重視しているのです。
この制作プロセスはどんな案件でも発生します。この案件はチラシ1枚くらいだから、いきなりデザインからはじめるよね?なんてことはありません。
ただし、設計にかける時間は案件次第。チラシ1枚の制作と、商品全体のプロモーションや施策にかける時間は違います。
ギュッと圧縮して設計するか、1つ1つを紐解いて進めるかの違いはあるので、全部が全部、同じ時間をかけるわけではありません。
まとめ
- デザイン制作の半分以上はヒアリングと設計。
- 何かを作ったり、提案するプロセスはどの職種も同じ
↓
【プロセスが同じ】ということは、つまりデザインだけが特殊な専門職ではない、ということです。
デザイン職も、他の職種(特にエンジニアなど)と同じでアウトプットの部分が専門的なだけなのです。
もちろん各プロセスの細かい部分は違います。同じヒアリングや設計でも、エンジニア、企画、営業とヒアリングする内容は違うでしょう。デザイナーもそれと同じなだけです。
そう思うと、決してデザインは理解不能で凡人にはわからない世界のものではないのと思うのです。
おまけ(宣伝)
このブログで設計は大事だー、デザインはロジックだー、情報整理必要だーなんてよく書いてますが、ふと思いました。
そうは言っても、具体的に【設計】って何かわからんくない?
と。
ということで、今回は改めて制作プロセスについてざっくりではありますが、紐解いてみました。
ただし、会社の考え方やスタンスによって、対応する範囲が違うのでそこは注意が必要です。それに、デザイナーでもセンスや感覚を重視している人もいると思います。
ただ、個人的にはこう思うのです。
センスや感覚だけを重視していると、いつか行き詰まり、ある一定以上のレベルには到達できない、と。
なぜなら、私たちは私たちのものを制作しているのではなく、あくまでお客様の課題解決のためにクリエイティブを使っているだけだから。
「何かをクリエイティブで解決したい」と思っている方は、制作のクオリティだけでなく、制作会社の考え方にも着目して選んでいただけるといいな、と思います!
セガナ・クリエイティブでは
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あれこれについてご相談を承っております
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