デザイナー、あるいはデザイン会社が
果たすべき役割とはなんであろうか。
たとえばカタログ、
たとえばポスター、
たとえばロゴマーク。
最終的なアウトプットととして
目に見えるモノを納品することは、
確かに日々我々のしている主な業務ではある。
しかしデザイナーは、モノを完成させること、
それ自体を制作の目的にしてはいけない。
顧客や消費者が本当に欲しいものは
カタログや商品自体ではなく、
その先にある成果なのだから。
成果とはたとえば
顧客にとっては商材が売れることであったり
消費者にとっては商材を通じて得られる快適性や心の充足などである。
なのでデザインを提案する際も同様に、
モノの完成像を提示することは必須であっても
肝腎なのはモノを通じて成されるコトの方である。
コトの望ましい有り様を探り、掘り下げることがまず始めにあり、
コトを実現させる機能として、あるべきモノのかたちが生まれる。
そうして発想されたモノから、更なるコトが展開していくこともある。
そういった、コトから始まりモノが生まれ、更なるコトへ発展していくような
関係し合うコトとモノ全体がデザインであり、
言うまでもなく『デザインすること』は全て我々の役目である。
—
と、
先日デザイナー原研哉さんによるオリンピックエンブレムの提案を拝見した時に
そんなような心得を思い起こして襟を正す気持ちになりました。
2020年東京オリンピック界隈の様相は今もって混迷を極めていますが、
自国開催のオリンピックに関わるデザイン提案を
目にする機会もそうそうない事かと思い、この場を借りて紹介させていただく次第です。
外部リンク: 原デザイン研究所/ニュース
http://www.ndc.co.jp/hara/olympic2020.html
スケジュールに追い立てられる慌しい日々の中にあっても、
デザインの持つ意義と自分の果たすべき役割を間違えないよう
精進していきたいものです。